大阪湾に釣りに行こう

大阪湾の最深部の深さは? 船釣り釣果アップに大阪湾の船釣りポイントを水深や地形から調べてみる

沖釣りの際に基本となる大阪湾の水深について調べてみた

北大西洋に沈むタイタニック号を潜水艇タイタンで見ようとして5名が犠牲となった事故も記憶に新しいですが、タイタニック号が沈む海域は約3,800メートルという深海で、山で言うと富士山にも匹敵する深さ。太陽の光はまったく届かず、水温はわずか2度、そして水圧は地上に比べて約400倍にも達するとのこと。

タイタン潜水艇沈没事故

タイタン号は水圧による破壊というによる悲劇的な事故の結末となりましたが、
同時にタピヨタ号が拠点としている「大阪湾」の水深も知りたくなりました。

大阪湾の水深をご紹介し、釣れる魚やポイントなどを紹介していければと思います。

大阪湾の最深部は197メートル

船釣りにとって釣れるポイントで釣りをすることが何より重要ですが、
大阪湾の船釣りポイントを知るためにも、まずは大阪湾の深さから調べていけたらと思います。大阪湾の最深部はどこになるのでしょうか。そこから潮流の影響などを調べてポイントを探っていければと思いました。

大阪湾の概況について

大きさ面積約1,450km2
海岸線延長540km
平均水深28m
最大水深197m(紀淡海峡)
最強潮流13km/時(明石海峡)
河川流入量約14km3/年
海水量約41km3
 大阪湾は、東京湾よりやや大きく、明石海峡で播磨灘と、紀淡海峡で紀伊水道と2ヶ所の開口部を持つ閉鎖性海域であり、和泉葛城山系、六甲山系など森林等が近接し、淀川水系、大和川水系などとともに琵琶湖まで含めると関西圏の大きな水循環体系を形成しています。

埋め立てによる水域減少の状況について

 大阪湾沿岸の地形は、高度経済成長期をはじめとした経済活動の発展などに伴い大きく変化しました。広く分布していた浅い海域や自然海岸は大幅に減少し、干潟、藻場等を含む水深10m 以浅の浅場面積は、昭和7 年から平成5 年までに240km2から117km2まで大幅に減少しました。

大阪湾の湾岸部の変化

大阪湾の基本情報と成り立ち

大阪湾の潮の出入りは紀淡海峡と明石海峡に限られる

大阪湾は、明石海峡にある播磨灘、紀淡海峡にある紀伊水道と2ヶ所から水の出入り(開口部)がある、いわゆる閉鎖性海域と呼ばれる海域です。
六甲山系など森林等が近接し、淀川水系、大和川水系などとともに琵琶湖まで含めると関西圏の水循環体系を形成しています。

シンプルに言うなら、釣りのポイントは基本的に2つの水の出入り口(開口部)でやるのがセオリーってことですね。

砂遊びをしていたらわかるように水深についても「開口部」を境に水深もエグれていっている、というのが大まかな水深の傾向になります。

大阪湾の水深分布状況

大阪湾に流入する河川を整理 1級河川は3つだけ

もう1つの要素として、川の流れはどうなっているのでしょう??

関西圏の水循環の大部分を占めている大阪湾ですが、流入する一級河川というと北東部にある淀川、猪名川と、中部の大和川のみの合計3つしかありません。(一級河川とは、国土の保全または国民の経済上の観点から、特に重要な水系(水源から河口までの本流とそれに流れ込む支流をまとめて呼ぶものとして、国土交通大臣が指定した河川のこと)。
思ったよりも少ないですね。

そして流入面積は淀川が最も大きく約8,200km2、大和川が約1,100km2、猪名川が約400km2とのことです。
また二級水系は59水系に分かれているとのことです。

大阪湾に流入する河川の流量について

大阪湾に流入する河川の流量
大阪湾環境データベースより 大阪湾に流入する河川の流量(平成19年から21年の6月から8月の平均値)

これを見てわかるように河川流入の位置は圧倒的に東部が多くなっており塩分濃度もこれに連動し西部よりも東部の方が薄い傾向となっています。

河川の流入によって砂などが堆積することで東部にかけて徐々に浅くなっているということがわかりましたね。

海底の材質について

底の材質別に見てみると、湾奥部から湾の中央部にかけてまでは河川の流入の影響なのか粘土質(粘度質シルト)、明石海峡や紀伊水道にかけては、砂の材質となっているそうだ。

大阪湾における底質の分布状況
大阪湾における底質の分布状況より

水深の深いところは砂、それ以外は泥
という感じですね〜

また堆積別に研究し海底のボーリング調査を行った方によると、尼崎エリアの堆積物をみると、堆積の基盤には河川から運ばれた砂をメインとする”礫層”と漂木などが堆積後変化した”粘土層”で形成されているそうです。([大阪湾音波探査委員]の文献より)

大阪湾の堆積物の分布
大阪湾の堆積物の分布2

潮流の状況について

これまで見てきた2つの開口部と河川の流入により、
神戸沖からの流れが、湾奥部にかけて時計回りの円弧を描きながら、泉州沖では沿岸にほぼ並行に南西流となっているような形もあり、
潮流の状況は単一ではなく大阪湾の中で円弧のように渦巻くような潮流もありながら形成されています。

これを恒流そしてエスチュアリー循環流といい、場所によって
「西宮沖還流」や「沖ノ瀬還流」と呼ばれる環流があることを釣り人としては頭に入れておきたいところです。

「エスチュアリー循環流」とは、
低塩分の河川水が海域上層を沖合に流れていくのに伴い、高塩分の海水が下層を陸に向かって進入してくることにより生じる流れのこと

大阪湾の潮流について
出典)藤原建紀・肥後竹彦・高杉由夫(1989):大阪湾の恒流と潮流・渦. 海岸工学論文集,36 巻,209-213

また海流の速さは、明石海峡最強時には、4ノット以上にも達するという。

大阪湾の潮流変化について

大阪湾のまとめ各項目の整理

これまで述べてきたことを下にまとめてみました。
これが大阪湾の基本情報で、これを見ればどこに魚がいるのか…釣り上手な方なら
もう目星がついてそうですね!

地理・地形2つの湾口をもち、明石海峡を挟んで播磨灘に、紀淡海峡を通じて紀伊水
道、太平洋に繋がっている。
東部海域では海底勾配が緩やかであり、水深 20m 以浅の平坦な地形となっ
ている。
西部海域では海峡に向かって深くなっており、海峡部の水深は 100m
以上となるところも
河川流入・流域一級河川は全て湾奥部に流入しており、
一級河川からの流入量は瀬戸内海の中で最も大きい。
③流況上げ潮時には紀淡海峡から紀伊水道の海水が流入し、明石海峡を通過して
播磨灘に流出する。一方、下げ潮時には上げ潮時とほぼ逆の向きの流れとな
って、大阪湾の海水は紀伊水道に流出している。

湾内には残差流が存在しており、湾西部には沖ノ瀬(淡路島の北東沖の砂の
丘)を中心とする強い時計回りの循環流(沖ノ瀬環流)が、湾奥部には時計回り
の環流(西宮沖環流)があるといわれている。
地層(赤潮等)一級河川の河口部付近である湾奥部で成層が発達しやすく、流れの速い海
峡部では成層が発達しにくい傾向を示している。
埋立・護岸の整
備状況等
海岸線については、1993 年度時点の海岸延長に占める自然海岸、半自然海
岸、河口部の割合が 18%であり、
瀬戸内海のなかでは自然海岸が最も少ない。
藻場・干潟藻場は、主に大阪府南部、淡路島東部の沿岸に多く分布している。
干潟は、主に大和川河口、大津川河口及び成ヶ島周辺に分布している。
水質窒素 ・りんは沿岸域 (東部海域 )で濃度が高い。特に湾奥部は埋立地が入り組んでいて停滞性が強く、栄養塩類が高濃度で偏在している。
底質泥分率等の底質項目は、明石海峡、紀淡水道などの海峡部で低い分布傾向を示しており、海峡部から湾央部や湾奥部に向かって高くなる傾向を示している。

大阪湾の基本的な部分がわかると釣りのポイント探しにも役に立ちそうですね。

大阪湾の船釣りポイントを水深や地形から調べてみる

水深から船釣りでのポイントを探ってみる

大阪湾の最深部はどこ?

大阪湾の最深部は紀淡海峡にあり、水深は197m

一方で和歌山と淡路島を挟む紀伊水道の水深は130mほどとなっています。
潮流の影響を受ける箇所が深くなっている傾向ですね。

水深別 大阪湾の船釣りポイントをご紹介

(水深別)釣れる魚種は?

沖釣りでたまに釣れてくれるラッキーフィッシュとしては、さまざまな魚種が釣れますが、
狙って釣ることのできるターゲットとしては、主に以下のような魚種が釣れるターゲットになります。

ベイエリア
1月はメバル、青もの(ハマチ、メジロ、ブリ)。3月からはシーバスのデイ&ナイトゲームがスタート。
4月水温が再度上昇するとからは青もの(ハマチ、メジロ、ブリ)が再開。
6月はアコウ(キジハタ)のハイシーズン。アジも安定して釣れる。
7月から8月 夏は青もののナブラ撃ち。タコも狙えます。
10月からはアジやシーバス、青もの(ハマチ、メジロ、ブリ)に加えタチウオもスタートし12月まで続く。

明石海峡や紀伊水道の海峡になるとこれらのターゲットがさらに大きくなり、
他にも真鯛やアオリイカ、サワラなども好ターゲットになります。

大阪湾の船釣りポイントを水深別にご紹介

20Mエリア

比較的浅瀬になる20Mでも狙える業種は豊富。
日が当たるため、海藻などが豊かに発育し、身を隠すことができる小さな魚(ベイト)やプランクトンが水温に沿って多くなり、時期を同じくしてそれを捕食する肉食性の魚(フィッシュイーター)も多く入ってきます。また春には産卵のためチヌやシーバス、明石海峡だとイカや真鯛などが浅瀬に接岸し釣れることもあります。

沖の防波堤なども20M付近に備えられていることが多いので、秋頃には大型の青もの(ハマチ、メジロ、ブリ)のボイルを狙ったり、太刀魚を狙ったりし多くのアングラーが早朝から賑わうのもこの時期です。

40Mエリア

大阪湾の特徴として神戸沖から広大な水深40Mの海底丘が広がっており、ポイントにより多種多様な魚が釣れるのがこのエリア。

大阪湾水深別の釣りポイント
40Mエリア部分で海底の等高線に「エグれ」が

明石や和歌山共に船釣りにいくとこの40~50Mラインで釣る機会が最も多いと言えます。
どんなターゲットでの釣りでも船釣り推奨タックルやルアーや錘の重量は、
「この水深で快適に釣りができるか」をベースに発売されていることも多いです。
また個人的にはまだまだ未開拓なポイントも多くとても攻略した水深が40M(50M)ラインといえます。

60Mエリア

40Mラインが大阪湾の広いエリア(釣りのエリア)というのは先ほど述べましたが、
潮流の影響を直接受けた海底が60Mラインといえます。明石海峡や紀伊水道の近くに多く点在しているポイントで、大阪湾内だと潮流の流れを受けて80Mラインへ掛け下がるアプローチで攻めたり逆に50Mラインへと駆け上がったりするアプローチで攻めがいがあるポイントです。
大阪湾の出口を出た明石西エリアや紀伊水道の南側に60Mラインは広がっていて、船釣りでアプローチすることも多いエリアです。

この他にもタイラバの釣りなどでは20Mよりも浅い10M代のポイントで大鯛が釣れることもありますし、冬や渋い時などは60Mよりも深い深場と言われる80Mライン以深で釣りをすることもよくあります。

まとめ

水深と潮流の差が明石の激流を生み、起伏に富んだポイントに多くの魚が集まっている

大阪湾はかつて「大阪=魚庭」と呼ばれたり「茅渟(チヌ=クロダイのこと)の海」と呼ばれたこともあったように都心部とは思えないほどの、豊かな海といえます。
さまざまな魚が生息しており、釣りとしてターゲットにできる魚種も豊富。
また海底の形状も起伏に飛んでおり色々な狙い方やターゲットや水深に合わせた狙い方の戦略や釣り方が開発されています。
特に明石海峡や紀伊水道は全国でも屈指の釣りのメッカとなっており、多くの釣り船や釣り人が竿を出しています。
船釣りの船長達は、狙うターゲットや時期、潮流のタイミングに合わせてさまざまなポイントに釣り人を案内しています。初めての釣り場であっても水深に合わせたアプローチができるように、大阪湾の地形や河川の流入状況のご紹介でした。

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大阪湾で釣りをもっと楽しむ(チヌの釣り方をご紹介しています)

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タピヨタグランボートクラブ(TaPiYoTa grand boat club) 大阪湾奥ベイサイドから出船のボートガイド船です。 "都市型アーバンフィッシング"をテーマに安全・気軽・かつ釣れる釣りをご案内しています。 TaPiYoTa grand boat club It is a boat guide ship that departs from Osaka Bay Oku Bayside. Under the theme of "Urban Urban Fishing", we guide you on fishing that is safe, easy, and catchable.
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